07/2/12 掲載
クローバーは和名「シロツメグサ」です。でも通称で、正式な和名では ないんですね。由来も面白く、江戸時代にオランダから輸入していた ガラスの器の緩衝材に使われていた様子から「詰め草」と呼ばれ、白い ラインの入ったクローバーをシロツメクサと呼ぶようになったよう です。しかしここで重大な誤りがありました。この時、緩衝材として 使用されていたのはクローバーだけではなく、ソックリの「カタバミ」 もまた使用されており、日本人がその違いに気づかず、どちらも 合わせてシロツメグサと呼ぶんです。本来、厳密にクローバーは丸い 葉の形をしており、カタバミはハート型です。この二つは似て非なる 全くの別物で、クローバーは「マメ科」、カタバミは「カタバミ科」 です。カタバミは特に雑草の部類に入り、圧倒的な繁殖力で駆除も 難しいという困った植物です。根も深く、球根性で、さらに大根の ような根をつけたりするのでなお厄介です。しかしその葉の形から クローバーと間違われ、そのまま放置されているケースも多いんです ね。こうなってくると、カタバミは人間に愛される形に合わせたかの 様にも思える…。一種の擬態?そんな事はないでしょうけど。ちなみ にカタバミには四つ葉は存在しません。
クローバーのマークと勘違いしてカタバミのハート型の葉をモチーフ にしたマークが色々な場所で見られますが、間違いもここまで社会的に 浸透しては、すでに本当なんてどうでもいいのかも知れません。 事実を知っていると笑ってしまいますが。
四つ葉のクローバーは突然変異です。定着して四つ葉だけをつける クローバーは存在しません。これは二酸化炭素と日照量の少ない地域 で多く見られ、要は光合成がしづらい地域で、少しでも多くの光合成 をしようと頑張った結果(?)と言えます。最高で18枚もの葉を 付けたクローバーもあり、ギネス記録でもあります。
「四つ葉を見つけるとラッキー」「五つ葉は失恋」「二つ葉は不吉」など いろいろなジンクスがあるようですが、私は三つ葉と四つ葉しか見た ことがありません。基本的に二酸化炭素と日照量の少ない地域での 突然変異ですので、日本ではさらに希少でしょう。
茹でれば食べられるということですが、やはり美味しいものではない ようで、あまり一般的ではないですよね。花は薬用効果があるとされ 解熱・鎮痛や痛風の体質改善に良いという話です。チョット前までは あんな雑草のような…と思っていたクローバーも、現在では立派な お花屋さんの商品です。かえって昔は路地脇や空き地に自生していた 植物のほうが今は売れるのではないかと思うこともしばしばですね。 とはいえ、お花屋さんもそれを入手できずにいたりするのですが…。